2015年9月30日水曜日

グループ企業のマイナンバー管理

親会社から子会社に出向、転籍する際も、注意が必要だ。

 個人情報保護法では本人の同意があれば、第三者への個人情報の提供は可能。しかしマイナンバー法では本人同意があっても個人番号の提供は認められない。
 
 親子会社間でも個人番号が提供された場合はマイナンバー法違反となり、提供した会社と担当者に刑事罰が科せられる。出向・転籍先の会社は新たに加わる従業員の本人確認をして、個人番号を取得する必要がある。
 
 例外もある。企業グループが個人番号を共有のデータベースで管理し、従業員が現在働いている会社のみが個人番号にアクセスできるようにしている場合だ。この場合、従業員の同意を得て、出向・転籍先が個人番号にアクセスすれば、従業員が新たに個人番号を提供したとみなされる。

 吸収合併の際には吸収される会社が、吸収する会社に個人番号を提供することが認められている。また、従業員が加盟している健康保険組合への番号提供も問題ない。

格安なマイナンバー制度関連サービス

 税と社会保障の共通番号(マイナンバー)制度の番号通知が10月に始まるのを受け、ベンチャー企業の事業参入が相次いでいる。


番号管理代行では機能の絞り込みなどにより大手の10分の1以下の価格を実現する。

 「マイナンバーの知識がなくても簡単に使いこなせる」。クラウド会計ソフトを手掛けるマネーフォワード(東京・港、辻庸介社長)の山田一也社長室長は、10月に始める番号管理代行サービスに胸を張る。番号収集から保管、廃棄まで対応。ソースネクストと組み、10月2日から家電量販店で1年ごとに更新するソフトも9800円(税別)で販売する。
 価格は初期費用が無料で月額利用料が980円(税別)から。従業員数10人以下から数段階で料金メニューを用意した。番号管理のみに機能を絞ることで、サイバー攻撃対策など総合サービスをめざす富士通などの大手に比べ、価格を10分の1以下に抑えた。
 
 クラウド会計ソフトのfreee(フリー、東京・品川、佐々木大輔社長)も9月末から管理代行を始める。マネーフォワードと同様の機能で、価格は利用人数に関係なく月額税込み980円。
 同社の会計・給与計算ソフトを利用している38万超の事業者には無料で提供する。マイナンバー単体での収益化は見込んでおらず、制度を契機にクラウドの利便性を打ち出し、主要事業で顧客を増やす狙いだ。
 
 会計・税務書類のオンライン保管サービスを提供するインテリジェントウィルパワー(東京・港、横山公一社長)は10月末からマイナンバー向けのサービスを始める。会計士や税理士向けに提供している既存のサービスに、番号管理の機能を追加。独自の暗号キーを使い、本人以外には事務担当しか番号を扱えないようにするのが特徴だ。

いよいよ個人番号マイナンバー)の通知カードの発送が始まります。

10月中旬から11月にかけて個人番号(マイナンバー)の「通知カード」の発送が始まります。


1.届く封筒に何が入っているの?
  ①通知カード
  ②混人番号カード交付申請書
  ③マイナンバー制度の説明書類
  ④混人番号カード申請用の返信用封筒

2.個人番号カードは、必ず申請しないといけないの?
  ①必ずしも申請する必要はありません。
  ②個人番号カードは顔写真付きの本人確認書類、電子証明書として使えます。
    マイナポータル利用時には個人番号カードが必要です。
  ③個人番号カードがなくても通知カードと運転免許証などで番号確認と本人確認は可能です。

3.住所が変わったらどうすればいいの?
  ・転出先の自治体で新住所の追記をします。

4。通知カードが届かない場合はどうしたらいいの?
  ・個人番号記載の住民票で通知カードの代替ができます。

5.通知カードの見本、二つの電子証明書、個人番号カードの一括申請はこちらをクリック

2015年9月29日火曜日

特定個人情報保護委員会への報告の方法(番号法違反の事案)

マイナンバーガイドラインが更新されました

昨日の官報に掲載された特定個人情報の漏えい事案等が発生した場合の対応について、特定個人情報保護委員会のHP「ガイドライン」に追加されました。
特定個人情報に関する番号法違反の事案又は番号法違反のおそれのある事案を把握した場合には、事実関係及び再発防止策等について、報告するよう努めることとされております。
特定個人情報保護委員会への報告の方法として、以下のように案内されています。
・郵送で報告する。
(重大事案又はそのおそれのある事案の報告を除く)
・重大事案又はそのおそれのある事案が発覚した場合には、FAXで報告する。
また、実際に報告するための様式も公開されています。
特定個人情報保護委員会HP「特定個人情報の漏えい事案等が発生した場合の対応について」
http://www.ppc.go.jp/legal/policy/rouei/
特定個人情報保護委員会HP「特定個人情報の漏えい事案等が発生した場合の報告要領について」
http://www.ppc.go.jp/files/pdf/270928_jigyousha_houkoku_youryou.pdf
特定個人情報保護委員会HP「委員会への報告に関する任意様式(重大事案の報告を除く)」
http://www.ppc.go.jp/files/pdf/270928_jigyousha_nini_houkokuyoushiki.pdf
特定個人情報保護委員会HP「重大事案又はそのおそれのある事案の報告様式」
http://www.ppc.go.jp/files/pdf/270928_jigyousha_juudaijian-houkokuyoushiki.pdf

2015年9月27日日曜日

マイナンバー制度のスタートに備えて

マイナンバーの通知を目前に控え、マイナンバー制度の概要をコンパクトにまとめました。

こちらをご覧ださい。

マイナンバー制度のスタートに備えて

 企業版マイナンバー活用し、登記情報など一括入手

手数料も引き下げ

政府は2017年1月から企業版のマイナンバーを活用し、登記事項証明書などの企業情報をネットで一括で入手できるようにする方針だ。取得時の手数料も引き下げる方向で、無料にすることも検討する。マイナンバーの普及が進めば納税者に恩恵が及ぶような体制を整える。
 企業版マイナンバーを使った新しい仕組みは「法人ポータル」との名称で、今秋から政府のマイナンバー等分科会で詳細を詰める。政府が保有する企業情報に番号を書き込み管理しやすくする。ネット上の法人ポータルで番号を入力すれば各省庁が持つ情報を簡単に入手できるようにする。
 対象は法務省が所管する登記事項証明書、国税庁の納税証明書、金融庁有価証券報告書、厚生労働省の社会保険料関係の書類などだ。経済産業省では補助金の認可証明のほか法律に基づく企業の届け出や表彰も入手できるようになる。
 証明書の費用や手間も減る。例えば登記事項証明書は企業間取引だけで年7086万件使われる。現在は1件337円の手数料がかかるうえ、法務局に出向くといった手間もかかる。政府内では、企業の申請事務や手数料負担が減るため年8000億円以上の経済効果が見込めるとの試算もある。
 政府は法人ポータルの構築を14年夏の成長戦略に盛り込んだが、一部省庁が反対し頓挫しかけていた。行政の効率化を通じマイナンバーの恩恵が広く及ぶようにしなければ納税者の反発が強まると判断。再び法人ポータルの導入にカジを切る。

2015年9月25日金曜日

平成28年分の扶養控除等異動申告書の様式を公表

国税庁がマイナンバー記載欄のある平成28年分の扶養控除等異動申告書の様式及び記載例を公表

国税庁が「平成27年分 年末調整のしかた」のリーフレットを公開しました。
平成28年分の給与の源泉徴収事務として、マイナンバーを記載する扶養控除等異動申告書の記載例等も公表されています。
平成27年分からの変更事項は次の通りです。
1.マイナンバー制度の導入
 本人確認や平成28年1月以後の給与所得の源泉徴収票にマイナンバーを記載する等
2.国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける場合の書類の添付等義務化
 (外国語により作成されている場合には、訳文も提出又は提示する必要があります。)
 非居住者である親族に係る扶養控除等の適用を受ける場合には、次のとおり、親族関係書類及び送金関係書類を提出又は提示しなければならない
 親族関係書類として次の①又は②のいずれかの書類が必要
  ①戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及びその親族の旅券(パスポート)の写し
  ②外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(その親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限ります。)
 送金関係書類として次の書類が必要
  ①金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引によりその居住者(給与所得者)からその親族に支払をしたことを明らかにする書類
  ②いわゆるクレジットカード発行会社の書類又はその写しで、そのクレジットカード発行会社が交付したカードを提示してその親族が商品等を購入したこと等及びその商品等の購入等の代金に相当する額をその居住者(給与所得者)から受領したことを明らかにする書類

平成28年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(PDF/631KB)
詳細は、以下のURLからご覧いただけます。
国税庁HP パンフレット・手引き「平成27年分 年末調整のしかた」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/nencho2015/01.htm

国税庁HP 年末調整のための各種様式 「源泉所得税関係」
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/mokuji.htm

2015年9月12日土曜日

マイナンバーカード発行、年間4000万枚しか用意できず

総務省幹部も消費税の還付に必要な税と社会保障の共通番号(マイナンバー)の個人番号カードが年間4000万枚しか用意できず間に合わないとの見解を明らかにした。

 総務省の青木信之自治税務局長は11日、製造委託先の企業がフル稼働してもマイナンバーカードが年4000万枚しか発行できないことを公明党の税制調査会の総会で明らかにした。
 カードは今年10月から希望する個人が申請し、来年1月から市区町村が交付する。カードの交付に15年度予算で約110億円を確保、16年度の概算要求は約70億円を想定し、16年1月から3月末に1000万枚、16年4月から17年3月末に500万枚の合計1500万枚を発行する計画だ。
 導入当初の「3カ月に1000万枚」というペースで量産しても、17年4月の増税時には計5000万枚にとどまる。財務省案が採用された場合、発行にかかる予算の上積みや委託先の企業の拡充などの対応を迫られそうだ。
 小売店や飲食店はカード情報を読み取る機器を用意しなければならない。国は費用の全額か一部を補助する方針だが、店側は手間が増える。

2015年9月9日水曜日

消費税の軽減税率2%分を後日還付、一人当たり4000円程度が上限で世帯合算が可能に

 消費税率を10%に引き上げる際に導入される負担軽減策の政府案で、税額を減らすための還付金は世帯単位で合算できることが分かった。

消費税10%分を支払った後に2%分が還付されるが、1人当たり年4000円かそれを超える水準の上限を設ける。上限額を家族で合算すれば世帯ごとの納税額を抑えられる。消費者に煩雑な手続きを求めるなど課題も多く、年末に向けた政府・与党の議論は難航しそうだ。


負担軽減の適用を受けるにはICチップ付きの税と社会保障の共通番号(マイナンバー)の個人番号カードが必要だ。個人番号カードを店頭の読み取り機にかざして、個人認証する。軽減する2%分はポイントの形で政府のサーバーに蓄積しておく。購入品目などの個人情報はシステムに残らず、ポイントだけを税務署が把握できる仕組みだ。

 還付を受ける際にはパソコンやスマートフォン(スマホ)などからマイナンバーの関連サイトに入り申請する。還付金は事前に登録した本人名義の銀行口座に振り込まれる。年に数回、還付が受けられる仕組みも用意する見通しだ。

 小売店も個人番号カードの読み取り機を導入する必要があり、個人商店には設置や運用の手間がかかる。

法人向けマイナンバー、来月22日から発送

 国税庁は8日、税と社会保障の共通番号(マイナンバー)制度で企業など約440万の団体に割り振られる法人番号の発送を10月22日から始めると発表した。


国の機関や地方自治体、東京都に本店がある企業から始まり11月25日までに7回に分けて発送される。

 法人番号は1法人に1つ指定される13桁の数字。2016年1月以降、確定申告書や法定調書を提出する際に記載が求められる。


 国税庁は10月5日に「法人番号公表サイト」を開設。同26日から(1)商号か名称(2)本店または主たる事務所所在地(3)法人番号――の基本3情報を順次掲載する。

地域ごとの発送予定日は下記の通りです。


因みに私の住んでいる小金井市は東京(23区以外)なので10月28日となっている。

2015年9月7日月曜日

マイナンバーで効率的な社会を

 税と社会保障の共通番号(マイナンバー)の活用がいよいよ始まる。

巨額の費用をかけて導入する仕組みだ。個人情報保護に配慮しつつ、十分に活用して行政の効率化や税負担の公平化などにつなげてほしい。これを機にIT(情報技術)を使った新産業を育て、日本社会全体の活性化も進めたい。
 住民にとっては便利な面があるはずだ。たとえば、年金や児童手当などの給付を役所に申請する際、従来は住民票や所得証明書といった書類を事前に一通りそろえる必要があった。今後はマイナンバーを記入して申請さえすれば、行政の内部で必要な情報を瞬時に集めてくれる。
 税務も効率化を期待できる。企業から個人への給与などの支払いはマイナンバーで管理されるようになる。複数の収入がある人の場合でもマイナンバーで名寄せすれば、税務当局はその人の収入の全体をすばやく正確に把握できる。納税の際の間違いや不正も簡単に見つけられるわけだ。
 マイナンバーのシステム構築には初期投資だけで3千億円ともされる費用がかかる。同システムをいかして行政事務の効率化をきちんと進め、人員のスリム化や配置の見直しなどを徹底すべきだ。

2015年9月4日金曜日

マイナンバーの活用範囲を拡大する改正マイナンバー法が成立 2015.09.04

 マイナンバー制度の利用範囲を金融や医療などの分野に広げることを目的とした改正マイナンバー法が、3日の衆議院本会議で可決され、成立しました。

 マイナンバー制度が来年1月にスタートすれば、行政機関は、自治体や税務署などに分散している所得や年金、社会保険などの個人情報を、国民一人一人に割り振った12桁の番号を使って照会しやすくなり、行政手続きを効率化したり、脱税などの不正行為を防いだりする効果が期待されています。
 改正法は、マイナンバー制度の運用が来年1月から始まるのを前に、制度の利用範囲を金融や医療などの分野に広げることなどを目的としています。この改正法は、日本年金機構のシステムから大量の個人情報が流出した問題を受け、機構がマイナンバーを扱う時期を遅らせるなどの修正を参議院で加えて可決されたことから、衆議院に戻されていました。そして、3日の衆議院本会議で、自民・公明両党と民主党、維新の党などの賛成多数で可決され、成立しました。
 改正法の成立により、金融機関は2018年1月から、預金者の同意があれば、口座番号とマイナンバーを結びつける「ひも付け」ができます。これにより、政府は個人の所得だけでなく、預金などの金融資産情報を管理することになるため、複数の口座を持つ人の預金残高を把握し、お金の流れが詳細に分かれば、脱税や年金の不正受給の防止につなげることができます。
 また、来年1月からは特定健診(メタボ健診)の履歴、2017年からは予防接種の履歴にもマイナンバーを結びつけ、引っ越しや転職をしても別の自治体や企業に情報を引き継ぎやすくし、健康に関わる情報を管理することで、生活習慣病の予防や、医療費の無駄づかいを防ぐ効果なども期待しています。
 同時に、衆議院本会議では、ビッグデータを活用してビジネスチャンスの拡大を図ることを目的とし、個人情報を特定されないように加工すれば本人の同意がなくても事業者が情報を第三者に提供できるようにすることなどを盛り込んだ改正個人情報保護法も可決され、成立しました。行政の効率化や利便性向上が期待される一方、個人情報の管理の徹底が課題となります。

MIコンサルティング/井上社労士事務所
URL:mi-sr.com